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エッセイ 「私とADA」皆様からの”ご応募作品」東京都 R.Y様

R.Y様の五感を刺激するコレクションアイテム
R.Y様の五感を刺激するコレクションアイテム

「私とADA」                     

つい先日、インターネットオークションでADAのノベルティー商品が94000円という高値で落札された。1990年代、ADA製品の包装や外箱に付いたマークを集めて交換できる販売促進のための置き時計だった。

 一般の人には全く理解できない熱意をもってADA製品の収集に励むマニアと呼ばれる人々がいる。ただ単にアクアリウム用品なのではなく、創業者の故・天野尚氏が美術工芸品と言っても過言ではないレベルの製品開発を続けたことに魅了されたのだと思う。さらに限られた数を売り切れば販売終了となる物もあり、その希少性からADA製品を集めている人もいる。

 「ADA製品を使えば、いずれ自分も天野氏が制作したような美しい水草レイアウト水槽を自分も作れるのではないか?」

 そんな幻想を抱きながら全国のADA特約店を巡り、販売終了となったハサミやピンセットなどを探し回る。自由になる時間とお金の多く費やしてきた私も実はそのマニアの一人だ。最近、やっと自分がなぜADA製品をコレクションし続けてきたのかがわかってきた。「五感に訴える製品」だからだと感じている。

 「視覚」はきれいなネイチャーアクアリウムそのもの。水草を植栽しトリミングする時に快感さえ覚えるピンセットやハサミは「触感」だ。森をイメージした香りを漂わせるCO2ボンベやエアスイーパーは「嗅覚」に訴える。
 
「聴覚」では1990年代には水槽を見ながら聞く音楽CDやスピーカー付きの椅子が販売されていた。そして最後の「味覚」。かつて試作品を作りながら販売を見送った水草水槽を見ながら味わう飴がついに発売となった。
 
これからも世界中のADAマニア、ADAコレクターをうならせる製品・グッズの誕生を楽しみに待ち構えている。

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