第五幕
応募してほどなくADA社より参加申し込み表が届く、冷たい視線を感じながら
意気揚々筆が走る。返信してから当日を迎えるまでは夢心地で過ごしていた。
やがてその時が訪れる。“天野尚”氏に会える喜びに浸り、正直当時の記憶が曖昧になっている。はじめてお会いしたのはADA本社ギャラリーだった。待機していた私たちが、その場の雰囲気が一変した事に気づくと、入口よりさっそうと入室してくる大柄の男がいました。“天野さん”だ本物の“天野さん一見強面の感じがしたが、次の瞬間“にこり”と微笑み参加者一同を包むように迎えてくれた。
その笑顔に、みんな一瞬にして心を奪われた。
独特の語りに耳を傾け、私は一言一句漏らすまいと、無意識に天野さんとの距離を縮める。
一通りの説明後、マイクロバスに乗り込みツアーが始まった。
ここで、簡単に今回のツアー参加者をご紹介させて頂きたいと思います。
当時、ADA販売特約店として名高い神奈川県横須賀市に店舗を構えていました。「アクアショップ ネギシ」様とお客様一同総勢7名程と、私を含めその他5名と微妙な人数ですが、これから始まる楽しい日々が私の人生を変える一日になるとは、この時点では知る由もなし
新潟県内名所旧跡を訪れ、その都度“天野さん”が説明をしてくれる。
幾度となく訪れていると思わせる語りが始まる。
説明を真剣に聞いていると、突然「はい5,000円」と手を出し茶目っ気たっぷりに冗談を飛ばす。そんな男に深く魅了されていく、この豪商の庭を作庭したのは
“田中泰阿弥”だとか、細部に渡り文化について説明をしていただいた。
その時は、真剣に話を聞いていましたが体育会系の私には到底理解できない内容ばかりで文化時間は過ぎていく、その後は楽しい体育の時間川遊びとなる。
“仙見川”渓谷石拾い なんとフィールドで天野さんがLAYOUT素材でもある
“八海石”がゴロゴロあると、私たちを焚きつけるから、みんな我を忘れて無我夢中に川面を眺めてズボンの裾野を巻き上げて一斉に飛び込んだ。
手あたり次第に石を拾い上げ、みんなトレジャーハンター化して最高の宝石を探しだす。私は、本当はなんでも良かった何故なら拾った石を天野さんに見せ褒めて頂くだけで、どんな石でもお宝になり得た。その時拾った石は今でも大切にお店に置いています。 想い出は次号に続く
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